オンナ心が分からない男たちへ(彼の美しい恋の想い出)

「元カノ、すごく美人だったんだよ」

ふとした会話の中で、男性がこう言ったとします。
あなたなら、この言葉にどんな反応をするでしょうか?

「へえ、そうなんだ」と微笑むかもしれないし、聞き流すかもしれない。
でも、きっと心の奥では何かが静かに軋み始めるよね!と思うのは、私だけでしょうか?

友達が告白してくれた、夫の「昔の恋の物語」

なんだか、私までモヤモヤしてしまったのですが、アメリカ人の友人と数日前にお茶をしていた際、こんなことを切り出されました。


ねえ、ジュンコ。どう思う? 夫が昔、超美人の女性と付き合っていたって話を時々するのよ。しかも、その人には旦那さんがいて、結局離婚することなく終わった“悲恋”だったんだって。彼は、その女性のことを決して悪く言わない。“いい人だった”って。とうとう、彼が彼女の写真を見せてくれたんだけど、本気で絶世の美女だったのよ。その時の彼は、いまもどこかにその恋を大切にしてるんだって、そんな風に見えたのよね。

そう話す彼女の声には、静かな怒りと、言葉にならない哀しみがにじんでいました。

「美人だった、いい人だった」。
そんな言葉の裏には、明言されない「未練」や、未練がなかったとしても「美化」が潜んでいる。
女は、それを敏感に察知する……。


それがたとえ“過去”の話であっても、「曖昧なまま彼が大事にしている過去の美しい思い出」は、第三者の私が聞いていても、あんまり気分がよいものではありませんでした。

デリカシーのない他のオンナ話は、私たちをやるせなくする

かくいう私も、元夫が昔のオンナの話をよくする人だったし、自分の部下を「すごく美しい」とか、「彼女は称賛に値する」とか言って、朝ごはんに連れ出すなどの行動をすることがありました(たぶん部下とは浮気だったんだろうが)。

今のパートナーはとても穏やかで優しい人ですが、そんな彼ですら懐かしむように、「昔の彼女を愛をこめて語る」という愚行をすることがあります。

しかし正直私は、自分がコミットしている相手が、他のオンナのことを懐かしんだり、美しいだのなんだのいうのは、気分が悪いです。「過去は過去、彼は今はアナタを選んで、アナタといるんだから」という人もいるでしょうし、私自身も大人な女のフリをして「聞き流す」ってことをしてきたと思うのですが、そういう時の自分は、全然大丈夫じゃなかった気がします。女にとって彼らが語る「美しい過去の思い出」は、場合によっては、デリカシーのない話でしかないこともあると思うのです。

とくに、私の友達の例のように、夫や恋人が「その人は美しかった」と強調する無神経さは、私たちをやるせなくするだけ。彼女はちょっぴり涙目になりながら、こう話してくれました。

私は彼の“本命”ではなく、“妥協の選択”だったのかもしれないとか。そんなことないって頭では分かっていながら自分を卑下してしまったのよ」。

モヤモヤを残さないほうが、男女のパートナーシップは健全かもしれない

私の友達の夫は、なんとその美しい元彼女を、経済的にも支えていた時期があったのだそうです。離婚してくれると信じて、お金に困っていた彼女を1年半も支え続けたのだとか。

それを聞いて彼女はモヤモヤを残してはいけないと思ったそうです。

私、ハッキリ言ってやったのよ。その女性がどれだけ美人でも、私は彼女に全く共感できないって。あなたが人の良さにつけこまれて、金銭を渡し続けたこともアホくさい。しかも相手は不倫だったっていうのに、そんな誠実さを裏切る関係を美化しているような言動を聞かされる私の気持ちを少しでも想像してほしい。私にはあなただけ。良いときも、悪いときも。だからこそ、不誠実なオンナとの過去を“美しい思い出”として語られるのは、耐えられない、ってね。

彼女の旦那さまは、しばらく沈黙したあとに「自分はアホだった」と静かに語った模様。しかし、そう聞かされても、彼女の心が完全に晴れたわけではないと言っていました。

どれだけ理性で割り切ったつもりでも、“支援し続けた美しい元彼女”という記憶が、ずっと彼の中で特別な場所に居座っているのかもしれない。だからこそ、それは嫌って主張すべきだと思ったの。私は彼の妻なんだから、そうする権利はあるでしょう?

彼女がいうように、男女のパートナーシップにとっては、確かに自分の感じたことを相手に伝える率直さも、健全を保つためには必要だなぁ、と思ったのでした。

オンナ心が分からない、男たちへ

彼女の旦那さんはアホすぎます。だからこのケースはもしかしたら稀かもしれないけれど、似たような感じの小さいきっかけでもモヤモヤが募ったり、チクリと心が痛くなる経験をした方は少なくない気がします。普段はあまり、あえて友達との話を書き残そうなんて思わないタチですが、「あ、私が元夫との間でイヤだったこととか、そして今のパートナーの言動にモヤモヤする瞬間て、これなんだ!」と気づいたので、自分のための備忘録としても、書き残しておこうと思ったのです。

大人になると、ちょっとくらい心がざわめくことには、「平気なフリ」をしたほうが波風が立たないことも沢山あると思うのです。しかしそうし続けて、自分の感情が「傷つかない」ことに麻痺してしまうのはよくないと感じます。

私の友人が毅然と旦那さんに向かって「誠実さを裏切る関係を美化しているような言動は勘弁して」と伝えたことは、とても大事だと思ったのです。


男性の皆さんに伝えたいのですが、「俺、モテるんだ」とか、そう言わんばっかりのことって、時々言うのはいいんですけれど。

こと「曖昧な余韻を残したままの過去」を語ることについては、いま隣にいる人の心にどれだけ影を落とすかを知って欲しいなと感じます。そうした小さい歪が、大きくなっていってしまうのも人間関係です。

ま、もっと言うとそれは女性も同じなんでしょうが。


それを語ることで、誰の心が温かくなるのか。
それとも、誰の心に冷たい風が吹くのか。

そういう微細な“言葉の気温”って、驚くほど大事なものなのですよ!(爆)

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